第二種再生医療等提供計画番号
PB3170022(脳血管障害治療)
PB3170023(脊髄損傷治療)
PB3170032(変形性膝関節症治療)
PB3200020(皮膚の加齢性変化治療)
細胞加工施設届出番号 FC3170010
「変形性膝関節症」は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)が接している「膝関節」に、痛みなどの症状が現れる病気です。具体的には、クッションの役割を果たしている「軟骨」がすり減って炎症を引き起こし、痛みが生じます。炎症によって関節液の分泌量が増え、いわゆる「水がたまる」という状態になるのも特徴のひとつです。
中年以降の男女に症状が現れる傾向にありますが、女性が多いという点も特徴として挙げられます。男女比は、「男性1:女性4」といわれています。
変形性膝関節症の主な症状として挙げられるのは、膝を動かしたときに現れる痛みです。この症状は、「動作時痛」と呼ばれます。以下に述べるように、動作時痛は段階を追って重症化していきます。
動作時痛とともに、「可動域制限」も変形性膝関節症の症状として現れます。特に、動作時痛の【中期】以降に顕著になるという特徴があります。膝の「曲げ伸ばし」に支障をきたし、「正座ができない」「しゃがむことができない」「足をまっすぐ伸ばせない」といった症状が見られます。
前述のように、変形性膝関節症の直接的な原因は膝の軟骨がすり減ることにあります。しかし、軟骨がすり減る原因は人によってさまざまです。
最もポピュラーなのは「老化」です。
膝関節の軟骨は年齢とともに弾力を失い、再生しづらくなっていきます。そんな中で膝を使い続けているとどんどん軟骨がすり減っていき、最終的には動作時痛が現れます。
また、「肥満」も原因のひとつです。肥満の方は膝関節に負担がかかりやすく、その分だけ軟骨がすり減りやすい状況にあるといえます。
そのほか、「遺伝」が原因のひとつとして挙げられることも判明しています。
両親のいずれか、あるいは両方が変形性膝関節症であった場合には、日ごろから予防に努める必要があるといえます。
前述のように、変形性膝関節症の患者数の男女比は「男性1:女性4」といわれています。圧倒的に女性が多い理由としては、以下のような原因が考えられます。
(1)女性ホルモン
軟骨の形成には女性ホルモン、特に「エストロゲン」の働きが必要とされています。女性は中年以降、閉経を迎えるとエストロゲンの分泌量が極端に減少しますが、これによって変形性膝関節症になりやすくなってしまうと考えられます。
(2)筋肉量
女性は男性に比べると膝の筋肉量が少ないため、より軟骨に負担がかかりやすく、すり減りやすい状態にあります。
ある程度年齢を重ねたら、膝を酷使しないようにすることが大切です。
具体的には、
・なるべく正座しないようにする
・トイレは「洋式」を使用する
といったことが挙げられます。
ただし、安静にし過ぎるのも良くないので、適度に運動して血行を促進して太ももの筋肉を鍛えましょう。
また、肥満の方は生活習慣を見直して解消することが必要不可欠です。
動作時痛が【初期】の段階であれば、それ以上に悪化することを防ぐ「温熱療法(あたためて血行をよくして痛みをやわらげる)」「運動療法(リハビリ)」などで対処することができます。
【初期】から【中期】の段階では、消炎鎮痛剤やヒアルロン酸を使った治療も効果を発揮します。特に、ヒアルロン酸は効果的といわれています。すり減った軟骨を補助して骨の衝突をやわらげ、動作時痛を防ぎます。半年ごとに注入することで、効果を持続させることが可能です。
とはいえ、誰もが効果を実感できるわけではない点には注意が必要です。また、症状がさらに悪化すれば効かなくなってくることも考慮に入れる必要があります。
動作時痛を防ぐための根本的な治療として、脛骨の一部を切除する「高位脛骨骨切り術」や、大腿骨と脛骨が接する部分を丸ごと切除してポリエチレン製の人工関節を取りつける「人工膝関節置換手術」などが行われます。
「人工膝関節置換手術」は、ほかの方法では処置できなくなった際に行われます。高い確率で痛みを取り去ることができますが、その反面、可動域が健康だった頃に比べて狭くなってしまう点はネックといえるでしょう。
皮下脂肪の中にある「脂肪幹細胞」を使用して、軟骨の補強・再生を進める「幹細胞治療」も選択肢のひとつとして挙げられます。
当院でも、この方法によって膝軟骨再生を行う膝治療にて変形性膝関節症の治療を行っております。少量の皮下脂肪を取り出して幹細胞を分離し、精製・培養。そのうえで、膝関節に注入します。脂肪幹細胞が軟骨を再生させるほか、炎症を抑えて痛みを取り除き、症状を改善させます。「人工膝関節置換手術」のデメリット(可動域が狭まる)をカバーする、画期的な再生治療方法です。
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